vol.2023-01 (2023.7.22) | 学会本部活動通信
学会本部活動通信2023年度vol.1
2023年7月22日
2022、2023年度化学工学会会長 松方 正彦
2022年度に引き続き2023年度も会長を務めさせていただきます、早稲田大学の松方正彦です。本年度一年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、本年度5月にはCOVID-19が5類に移行し、まだまだ感染の流行に対する不安は残るものの社会活動は2019年までの対面を中心とした活動に戻りつつあります。
化学工学会の年会は、この春20年ぶりに東京農工大で対面を主体として開催され、懇親会も実施することができました。懇親会会場とした中野サンプラザは50年間東京の文化の中心のひとつでしたが、7月2日をもって閉館しましたので個人的にもよい経験となりました。次の福岡大学で開催予定の秋季大会では、COVID-19以前に戻り1,000件を超える発表が予定されています。発表は現地参加で多く行われる予定と聞いており、対面での学会活動が本格的に再開される機会となります。また、懇親会も立食400名規模で行います。引き続き感染症の拡大に注意しつつではありますが、学会活動は全面的に再開されます。多くのみなさまのご参加をお待ちしています。
一方、この3年間で化学工学会ではオンライン配信の設備とアプリケーションを整えてきました。対面で集まってこそ濃密な情報交換や意見交換ができることを実感しているところですが、オンラインあるいはハイブリッドでの会議の開催が、すきま時間を使っての、遠隔地からのミーティング参加を可能となりました。このことは他学会と比べて化学工学会がもつ大きなメリットとなっています。引き続き、この利点を生かした学会活動の活性化に大きく期待しているところです。
9月は化学工学会にとって重要な行事が連続します。まず4-9日には昨年のクアラルンプールに続いてAsian Pacific Confederation of Chemical Engineering (APCChE)2023がフィリピンのマニラで開催されます。化学工学会は、アジア・オセアニア地域の化学工学の活性化・発展のために主たる役割を果たしてきており、今回もSDGsフォーラムの開催準備を進めています。11-13日開催の秋季大会では、会期前日に特別シンポジウム「2050年 カーボンニュートラルへの道」も行われますので、併せてご参加ください。さらに、翌週9月20-22日には東京ビックサイトで2年に一度の大きな行事である、INCHEM TOKYO 2023が開催されます。今回からこの行事は大きく企画趣旨を変更し、「カーボンニュートラルを目指すあなたに~最新化学工学技術とポテンシャルパートナーの出会い~」と題して、未来に向けて人と技術の出会いの場の創成を目指します。産業界のみなさまはもちろんのこと学生のみなさまにも有意義な機会となることと思います。いずれの行事も、ぜひ多くの会員のみなさまにご参加いただき、化学工学と化学工学会を盛り上げて頂きたいと思います。
APCChE以外にも国際交流を深めています。昨年末にはインド化学工学会(IIChE)とMOUを結び、今年はカナダ化学工学会(CSChE)とMOUを締結予定で、さらにその他にもMOU締結国は増える予定です。これらは学会間の国際交流の促進を通じて我が国のアカデミアや産業界の発展に資することが目的ですが、特定のテーマの連携に関しては部会や研究会など専門性のある組織によるところが大きいと思います。ぜひMOUを活用して、会員のみなさまの活動の発展につなげていただきたいと期待するところです。
最後に、英文誌(JCEJ)への投稿のお願いです。JCEJは各国の化学工学会が発行する学術誌の中で、はじめてのオープンアクセス(OA)ジャーナルとして生まれ変わりました。投稿料は他の学術誌のOA化の費用と比べて格安に設定されていますし、会員割引もございます。みなさまの研究成果のvisibilityを高めるために是非ご活用ください。
最後に猛暑の夏がやってきました。会員のみなさまにおかれましては、健康に過ごされ、秋季大会などでお目にかかれますこと、祈念しております。