vol.2 (2014.10.9) | 学会本部活動通信

平成26年度会長
前 一廣

化学工学会での動きを会員各位に広く均等に知らせるべく、9月に本部活動通信を開始しました。この度、いくつかの動きがありましたのでvol.2を配信します。

1)日本学術会議関連

予てから、学会内有志の先生方で化学系関連学会の支援を得ながら地道な活動を行ってきた甲斐あって、10月1日付で、東北大学の阿尻教授が日本学術会議の第3部、化学委員会(材料化学分科会、触媒・化学工学分科会)、および1-3部を横断する環境学委員会(環境科学分科会化学委員会の会員になられました(任期6年)。久しく空席であった化学委員会に念願の会員を復活できたことは、科学研究費、学術における発言力などの面からも化学工学分野にとって喜ばしい限りです。さらに、新たに任命された先生を含め、化学工学系の連携会員も4名となり、今後、当学会の学術、社会貢献への展開に明るい光が見えてきました。小職としては、選挙時に掲げていた公約の一つを達成でき安堵しています。今後、阿尻教授を筆頭にした学術会議メンバーを全面支援して化学工学学問領域の益々の発展に寄与していく予定です。

2)福島原発関連

去る10月3日に、小職、安倍昭恵首相夫人と面談し、当学会が東北復興、福島原発対応に関して、公益社団法人として真摯に対応する用意がある旨、お伝えしました。その場で、安倍昭恵様から、詳細に話を聞きたいとの申し入れがあり、タイミングを計って、安倍昭恵様、首相官邸メンバーとディスカッションを実施することになるかと思います。汚染水、土壌除染、廃棄物問題の解決、東北の復興に関してプロセス&システム技術を専門とするエンジニアの知恵が反映できる仕組みを考えていきたいと思っておりますので、産学の会員諸氏には是非ご協力をお願いできればと切に思っております。この場をお借りして、今回の機会を設定頂いた川瀬様(日本リファイン㈱)、人材育成センター長の稲垣様(住友ベークライト㈱)に厚くお礼申し上げます。

3)各支部幹部との懇談会

小職、6月~9月にかけて、7支部を訪問し、支部長、支部幹事および地区懇話会幹事の方々へのご挨拶および意見交換をさせて頂きました。各支部とも精力的に活動を実施されており、地域に根付いた支部活動が学会を支えていることが再認識できました。特に地区懇話会の活動はどの地域もしっかりしており、是非、会員各位には、支部内でのコミュニケーションによって人的ネットワークを拡げて頂き、会員としてのメリットを享受して頂ければと願っております。一方、各支部とも状況も異なるため、抱える課題が異なりますが、共通する課題に関しては、本部事務局と連携して解決の道を探っていきたいと考えています。この一つとして、秋季大会時に本部事務局と各支部事務局との意見交換会も実施し意思の疎通を図っており、今後、ICTによる効率化、基礎教育の共通化などに関して検討していく予定になっております。

4)経産省化学課との懇談会

本年度から化学課からの申し出で、戦略企画センター(猪股センター長)のもと、人選した7名の大学教員メンバーが、化学課と定期的に今後の化学産業の在り方、産学連携の在り方などの意見交換を実施しております。10月2日の2回目の会合で、ビジョン委員会副委員長の九州大学 林 潤一郎教授が中心になって纏めた「スマート化学産業創生プログラム」(地域産業融合型化学技術)を提示しました。化学課には非常に興味を示して頂いており、今後、さらなる具体化をしていくことになりました。本件、小職が各支部との懇談会時にお伝えした全国レベルでの産学共同研究のプラットホームづくりです。上記メンバーは、各支部に所属しておりますので、提案がもう少し精度よく固まりましたら、各メンバーから支部に内容をお知らせしますので、地域ならではの産学共同研究プロジェクトを提案頂ければ有難く存じます。

5)年会に関して

先の秋季大会の懇親会時に申し上げましたが、来年3月に開催される年会の参加料の改訂を考えております。以下、少し詳細を述べます。来春の年会は、本年3月の岐阜大で試みた年会の内容改革に加え、年会の東京/大阪隔年開催、プログラム編成以外の運営を外部業者に完全に任せる形が可能か否かを検証するものです。予算上は、外部委託してもこれまでの参加費で採算可能と予測しておりますが、東京/大阪隔年開催にした場合、これまで各支部が数年に一度大会運営してきた頻度が少なくなり、大会によって得た利潤の支部への還付金が減ってしまう弊害が生じます。シミュレーションした結果、大会参加費を現在の8,000円から10、000円にすれば、各支部への年平均の還付金は現状維持できることが判りました。現在、日本化学会など他学会でもほとんどが10,000円以上の参加費になっております。一方、次回年会では、10,000円の参加費とする代わりに、懇親会費を現在の7000円→5000円とし、総額は15,000円と現状維持を考えております。本件、理事会決定事項で、まだ案の段階ですが、予め会員各位に大会運営委員会が考えていることをお伝えしておこうと記しました。これによって、各支部の方々の負担を減らしつつ支部運営資金は担保することを考えております。なお、本件は年会に関しての検討であり、秋季大会に関しては、別途、情勢に合わせて検討していく所存です。